長崎の教会群とキリスト教関連遺産

長崎県西部海岸沿いと、五島列島の島々に点在している教会群とキリスト教関連の遺産は、長い弾圧という歴史的背景とともに、農漁業集落と一体となった文化的景観を保存しています。

日本でのキリスト教は、天文18年(1549)のフランシスコ・ザビエルによる布教開始以来、西日本で急速に広まりました。特に、ポルトガルとの貿易港として開かれていた長崎には、イエズス会の本部が置かれて、日本での布教の重要拠点として教会堂をはじめとするキリスト教文化が栄えました。

しかし、江戸幕府による禁教政策によってキリスト教は厳しく弾圧されて、島原、天草の乱が起こりました。そのような弾圧の歴史を物語る痕跡は、キリスト教関連史跡として今日まで継承されています。禁教下では、信徒は人里離れた浦や島に移り住んで、明治期に禁教政策が解かれるまでその信仰を守り続けたそうです。長い弾圧の後に建てられた教会群は、長崎県を中心とする地域に多く残っていて、信仰を抑圧されてきた多くの人の解放と教会復帰の道のりを現在に伝えています。
また、教会群は外国人神父が伝えたとされる西洋の建築技術と、日本の伝統的な建築技術が融合された質の高いデザインとなっていて、特色のある自然景観と相まって、貴重な文化的景観を作りあげています。

このように、この遺産は、日本におけるキリスト教布教の歩みを残していて、かつ、国内外の建築技術の融合の見本となるだけでなく、独特の自然景観とも一体となった文化的景観を形成しているのです。

Copyright (C)2012日本の世界遺産観光 見どころガイド.All rights reserved.